「ディレクター・フォーカス」に、出﨑統が決定!
一人の監督に焦点を当て、その作品と演出の軌跡をたどる「ディレクター・フォーカス」。
第2回ANIAFFでは、『日本をアニメ大国にした功労者、出﨑統(1943–2011)』を特集します。
日本アニメの草創期から、数々のテレビアニメーションを中心に活躍した出﨑統。監督・演出家としてだけでなく、脚本家、漫画家としても活動し、独自の演出方法を確立。その表現は、後の日本のアニメーションに大きな影響を与えました。
今回の特集では、『劇場版 エースをねらえ!』『あしたのジョー2 劇場版』『ゴルゴ13 劇場版』などの劇場アニメをはじめ、テレビアニメ『ベルサイユのばら』、OVA『ブラック・ジャック』からのセレクトなど、代表作10作品(長編映画7本、シリーズ3作品)を一挙上映します。
アーティスティック・ディレクター 数土直志 コメント
今回、“日本、手描きアニメ演出の革命児 出﨑統”として、1960年代から40年以上にわたり活躍し、2011年に亡くなった出﨑統の業績を作品と共に振り返ります。
出﨑統は60年代に始まった日本アニメの動画枚数を抑えた作画技術を基盤に、止め絵などを多用することでキャラクターの内面やドラマを深める独自の演出を確立しました。その演出術はその後のアニメづくりに多大な影響を及ぼし、日本アニメの源流ともなっています。
現在活躍する多くの監督や演出がその影響を語る偉大な巨匠のひとりです。しかし、日本のアニメーション史における出﨑統の重要性は、まだまだ十分認識されていません。
国際映画祭で特集を組むことで、国内外に出﨑統の業績を伝え、評価を高めることにつなげたいと考えています。
会期中には、ゲストを迎えたトークショーも予定しています。
上映スケジュールやゲストなどの詳細、チケット情報、その他の上映作品は、今後順次発表いたします。続報にぜひご期待ください。
ディレクター・フォーカス上映作品
『宝島』(1978)

第6話「敵か味方かジョン・シルバー」
第20話「こんどは磔! ロング・ジョン」
第25話「潮風よ、縁があったらまた逢おう」
第26話「フリントはもう飛べない―」
イギリスの海辺の町、母親と2人でベンボー亭を守っている少年・ジム・ホーキンズ。彼が手に入れた1枚の宝島の地図から、冒険の旅が始まった。リブシー先生たちと宝探しに航海にでた彼を待っていたのは、厳しい海の掟と、ジョン・シルバーなど陽気な海の男たち、そして裏切りだった。
船員に化けて船に乗り込んでいた海賊たちとの争いの中で、シルバーやグレーなど、様々な男たちの生きざまを、ジムは知っていくのだった。
©TMS
『ベルサイユのばら』(1979)

第19話「さよなら妹よ!」
第20話「フェルゼン名残りの輪舞」
第28話「アンドレ・青いレモン」
第39話「あの微笑はもう還らない!」
第40話「さようならわが愛しのオスカル」
18世紀のフランス。ジャルジェ将軍の娘として生まれたオスカル・フランソワは、武門の家を継ぐため男として育てられ、長じて王妃マリー・アントワネット付きの近衛隊長に任ぜられる。
スウェーデンの青年貴族フェルゼンと出会ったマリーは激しい恋に陥るが、オスカルもまたフェルゼンにほのかな想いを寄せていた。フランス革命へ向けて揺れ動きはじめた時代の中、オスカルとともに育ったアンドレは、自らの想いを隠して彼女を見守るが……。
©池田理代子プロダクション・TMS
『劇場版 エースをねらえ!』(1979)

テニス強豪校である西校の1年生・岡ひろみは、新任コーチの宗方仁に見い出されレギュラーに抜擢される。
初心者も同然のひろみは何かの間違いだと辞退を申し出るが強引な宗方はそれを一蹴。
周囲のやっかみやいじめにさらされながらも、ひろみは宗方の厳しいしごきやさまざまな試練を乗り越え、一流プレーヤーとして成長していく。
©山本鈴美香/集英社・TMS
『あしたのジョー2 劇場版』(1981)

力石を殺してしまったという心の負い目から、テンプルを打てなくなったジョーだったが、ベネズエラの無冠の帝王カーロス・リベラと出会い、彼と死力を尽くして戦うことによって立ち直った。だが激戦を続けるジョーは、いつしかパンチ・ドランカーに。
彼をひそかに愛していた白木葉子は、その事実を知りがく然とする。しかしジョーは、葉子の制止もきかず、チャンピオンのホセ・メンドーサとの試合に臨むのだった。
©高森朝雄・ちばてつや/講談社・TMS
『劇場版 SPACE ADVENTURE コブラ』(1982)

3姉妹をめぐって、コブラとクリスタルボーイが激突
賞金稼ぎのジェーンは、自分に言い寄ってきた男が海賊コブラだと知り、用心棒を依頼。目的は、彼女の3つ子の姉妹キャサリンとドミニクを探すことだった。コブラはジェーンと共に、クリスタルボーイに監禁されているキャサリンを救出に向かう。だが、クリスタルボーイの命令に忠実なキャサリンは、ジェーンを裏切る。コブラはジェーンの残したメッセージに従って、ドミニクに会いに行く。だが、そこへも大軍団を引き連れたクリスタルボーイが現れた!
©BUICHI TERASAWA/ART TEKNIKA・TMS
『ゴルゴ13 劇場版』(1983)

カリフォルニア。船上パーティの最中、ドーソン・コンツェルンの後継者ロバートが殺された。狙撃者は、正確に相手の眉間を射抜いて殺すという超一流のプロ”ゴルゴ13”。息子の復讐を誓うドーソンは、FBI,CIA,ペンタゴンを動かしゴルゴ抹殺を図る。死地を逃れ、反撃にうつるゴルゴ。ドーソンのビルには、狂気の殺し屋ビッグ・スネーク、最強の暗殺者ゴールドとシルバーが待ち受ける。しかし、狙撃事件の裏には意外な真実が・・・・。
©さいとう・プロダクション/TMS・フィルムリンク
『冒険者たち ガンバと7匹のなかま』(1984)

都会育ちで、海を見たことのない街ネズミのガンバとボーボ。港で船乗りネズミと知り合いパーティーを楽しんでいた彼らだが、そこに夢見ヶ島からやってきた忠太がやってきた。大怪我をしている忠太いわく、夢見ヶ島は大きな白イタチのノロイによって蹂躙されているという。必死に助けを求める忠太に応え、ガンバはボーボ、ヨイショ、ガクシャ、シジン、イカサマ、忠太とともにノロイ打倒のため大海原へと旅立つことに。
©斎藤惇夫/岩波書店・TMS
『ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!』(1989)

情報ネットワークが発達した現代、ルパンの情報は強大なデータベースに蓄積され、今後の行動パターンまでも予測可能となった。そんな現実を目の前に、とうとうルパンは引退を考える。だが、そこへ相棒の次元が自分の旧友という初老の犯罪者ルースターを連れてくる。彼等はルパンを仕事に誘う事に成功するのだが、その途中、スリーメイスンと名乗る悪の秘密結社によって、ルースターは絶命してしまう。ルパンと次元は、ルースターの最後の言葉を胸に、彼が自由の女神に隠したという世界最大のダイヤ=スーパーエッグを探し出す事を誓う。それと前後して、ルパンはマイケルという天才少年に出会う。また、五ェ門はイザベルという謎めいた美女に。不二子はニヒルな大富豪ジミー・カンツに。それぞれの思惑を胸に行動する彼らだが、運命の不思議な糸は、彼らを一つの結末へと導いて行く。
原作:モンキー・パンチ ©TMS
『ブラック・ジャック』「拒食,ふたりの黒い医者」(1995) 「しずむ女」(2000)

「Black Jack(ブラック・ジャック)」は、数多ある手塚の代表作の中でも指折りの傑作。無免許で報酬は法外、一匹狼の天才外科医ブラック・ジャックが、その驚異的な腕で医学の限界、そして巨大な権力や犯罪に果敢に挑んでいくストーリーを軸に、手塚の永遠のテーマである人間の”生と死”を描いた不朽の名作である。
©手塚プロダクション・秋田書店・日本コロムビア
©手塚プロダクション・秋田書店・バンダイビジュアル
『劇場版 AIR』(2005)

海と空が見えるその町には、はるか昔から伝わる物語があった。背に白い翼を持った少女と彼女を護衛した青年の悲しい物語が・・・。姫君はその異様な姿のため屋敷に閉じこめられ、外の世界を見たことさえなかった。遠くに母親がいるらしいと聞いたことはあっても会いに行くなど到底無理な話である。ある時、ひとりぼっちの姫君の前に一人の青年が現れる。青年は姫君に外の世界の話を語って聞かせ、喜ばせる。そして青年と姫君はいつしか恋に落ちていく。しかし、青年には翼を持つ者に恋をしてはならないという呪いがかけられていた。少女-神尾観鈴は、一人ぼっちの自分と物語の姫君を重ね合わせていた。病気がちな観鈴は、学校も行かず友達もいない。この町からでたこともない。でもいつか自分にも、姫君と同じような出会いが待っているかもしれない。そんな観鈴の前に人形遣いの青年が現れる。彼には死んだ母親から伝えられた言葉があった。「空にいる少女を救って」のろいを受けながらも恋をした翼の姫君と護衛の青年。翼の姫君に自身を重ねる少女。そして「空にいる少女」を救う旅する青年・・・。現在と過去が交錯し、想いが時を越えていく。それぞれの恋はどのような結末を迎えるのか?
©VisualArt's/Key/東映アニメーション/フロンティアワークス
出﨑統プロフィール

1943年11月18日生まれ、東京都出身。
高校時代はマンガ家を志していた。’63年に虫プロへ入社。「鉄腕アトム」に最初はアニメーターとして参加していたが、同作品で演出家としてデビュー。「悟空の大冒険」、「わんぱく探偵団」、「どろろ」等に各話演出として参加した後に、’70年に「あしたのジョー」でチーフディレクターとなる。後に、「エースをねらえ!」、「ガンバの冒険」、「宝島」、「ベルサイユのばら」、「コブラ」、「おにいさまへ…」、「ブラック・ジャック」等、多くの名作、傑作を手がける。日本のアニメ界を代表する監督の一人であり、その独自の演出技法は多くのスタッフや作品に影響を与えている。
2011年4月17日没。