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【ANIAFFにおける顕彰について】

ANIAFFはアニメーション文化の発展を目指すための事業のひとつとして顕彰を実施します。アニメーション文化は、クリエイティブを生み出す制作スタッフがあって実現すると考えています。そうしたスタッフの才能・業績を世に知ってもらう機会はまだまだ少なく、顕彰をすることで広く認知される一助になればと考えています。
賞は個人賞(カキツバタ賞とユリ賞)、スタジオ賞(ハナノキ賞)の3つを設けています。

【カキツバタ賞とは?】

愛知県の県花であるカキツバタに由来します。

【ユリ賞とは?とは】

名古屋市の市花であるユリに由来します。

【ハナノキ賞とは?】

愛知県の県木であるハナノキに由来します。

カキツバタ賞

Iris Prize

岩井澤健治

【プロフィール】

1981年生まれ。東京都出身。高校卒業後、石井輝男監督に師事。実写映画の現場から映像制作を始め、その傍らアニメーション制作を始める。2008年に初のアニメーション作品「福来町、トンネル路地の男」が完成。以後、アニメーションを中心として短編映画の制作を続けたのち、長編アニメーション映画『音楽』を7年の歳月をかけて完成させる。『音楽』は初長編監督にして、アニメ界のアカデミー賞と名高い米アニー賞ノミネートをはじめ、オタワ国際アニメーション映画祭でグランプリを受賞するなど、国内外の多数の映画賞で高い評価を受ける。

【選考理由】

2020年に発表されたインディーズアニメーション映画「音楽」で、国内外でいっきに評価を高めました。監督や脚本・作画監督・美術監督ほかを全て一人で仕上げた才能の豊かさと共に、アバンギャルドな作品の表現の斬新さ、ロトスコープの特徴を生かした制作方法などが全てが驚きです。インディーズ映画の在り方に大きな影響を与える共に歴史に残る作品を作り上げました。また2025年には「ひゃくえむ。」を発表し、さらに重厚なドラマを表現し、作品づくりの幅広さを示しています。
日本の新たな時代、アニメーションシーンを代表するクリエイターとしてカキツバタ賞を顕彰させていただければと思います。

ユリ賞

Lily Prize

廣瀬清志

【プロフィール】

映像編集者。株式会社エディッツ代表取締役。GONZO、サンジゲンを経て独立。
主なアニメの編集担当作に、『ダンダダン』シリーズ、『きみの色』『ルックバック』『BLUE GIANT』『犬王』『海獣の子供』『王様ランキング』シリーズ『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズなど。
近年は DaVinci Resolve を活用し、制作や演出と連携しながら編集フローや共有方法の改善に取り組んでいる。
また、アニメだけでなく実写作品の編集やディレクション、ライブ映像、ミュージックビデオなど幅広い分野の経験を持ち、そうした多様な現場で得た視点や方法を制作工程に活かしている。

【選考理由】

株式会社エディッツ代表取締役として、「ダンダダン」「ルックバック」「ジョジョの奇妙な冒険シリーズ」「BLUE GIANT」など数えきれないほど多くのアニメ作品において編集を担当しています。アニメーション制作における編集の重要性を考えれば、今日の日本アニメの盛況、豊かさは廣瀬清志氏の存在なしになかったはずでしょう。また演出や作画に比べて見落とされがちな編集という仕事の素晴らしさを世の中に伝えるためにも是非、その第一人者である廣瀬清志氏に顕彰をさせていただきたいです。

ハナノキ賞

Red Maple Prize

株式会社ピーエーワークス

P.A.WORKS

【プロフィール】

2000年11月に設立し今年25周年を迎えた、富山県南砺市に本社を構える。オリジナルストーリーの作品を多く手がけるアニメーション制作会社。様々なジャンルにチャレンジし、「未来を照らす、灯りをつくる」の理念のもと、アニメーションに携わるクリエイターや視聴者が「明日も頑張ろう」と思える作品作りを目指している。2018年より「P.A.養成所」を設立し、クリエイターの育成にも力をいれている。主な作品は、『true tears』、『CANAAN』、『Angel Beats!』、『花咲くいろは』、『TARI TARI』、『SHIROBAKO』、『有頂天家族』、『パリピ孔明』、『スキップとローファー』など。

【選考理由】

株式会社ピーエーワークスは2000年に富山県南栃市に設立されて以来、アニメーション企画・制作で大きな業績を残してきました。2008年の『true tears』をスタートに『有頂天家族』 や『SHIROBAKO』 『スキップとローファー』 などを生み出したテレビシリーズ、『さよならの朝に約束の花をかざろう』『駒田蒸留所へようこそ』 、2025年の『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland』などの長編映画。それらの作品はオリジナル原作から漫画・小説・ゲームを原作にしたものまで多岐にわたりますが、常にクリエイティブの豊かさを発揮しています。
またまだ東京圏以外でのアニメスタジオが少ない時代から本社を富山県に構えて作品を生みだし、人材育成にも務めています。アニメスタジオの在り方の新しい指針となり、その後の多くのアニメスタジオにも影響を与えました。地方とつながりは作品にも表れており、日本の地方都市を舞台に多くの作品を作り、『花咲くいろは』では作中にあった架空のお祭りのぼんぼり祭りが実際に実施され地域に根付くなど、地域の発信・活性化にも大きな役割を果たしています。
これらの業績と貢献を世にさらに認知していただきたく、ハナノキ賞の顕彰をさせていただきたく思います。