アニー賞とのコラボ決定に合わせて、審査員にもASIFA-Hollywoodのエグゼクティブ・ディレクターであるオーブリー・ミンツ氏の参加が決定しました。
そのほかにも『Brazen』をはじめとしたバンドデシネ作家・イラストレーターとして活躍するペネロープ・バジュー氏、『トロン:ライジング』、『ラブ、デス&ロボット』シーズン3「死者の声」でアニー賞を受賞したポリゴン・ピクチュアズの代表取締役の塩田周三氏が参加します。
国内外から多彩な審査員が集まることに、数土直志アーティスティック・ディレクターは「世界のカルチャーシーンを牽引するかたがたの多様な立場からの多様な視点、そこからいまのアニメーションの在り方を見通す。その鋭い見識を期待しています」と語りました。

審査員プロフィールとコメント

オーブリー・ミンツ氏
プロフィール
ILM(インダストリアル・ライト&マジック)や Square USA で長編アニメーターとして活動し、Smirnoff、マクドナルド、MuchMusic、General Mills、カナダのロックバンド Rush などのプロジェクトを監督。短編アニメ『Nothing to Say』はセレブ俳優ダニー・アイエロのナレーションで制作され、世界 41 の映画祭で上映。オーストラリア独立映画祭、Arctic Film Festival(国連 SDG イニシアチブ)、パームスプリングス国際アニメーション映画祭、アンカレッジ映画祭、NFMLA、Canada Shorts で受賞。
『Ideas for the Animated Short 2nd Edition』の共著者であり、Cartoon Brew、Animation Magazine、AnimationScoop.com、IndieWire.com に寄稿。ディズニー・アニメーション、ブルースカイ・アニメーション、ドリームワークス・アニメーションで講演、サンディエゴ・コミコン、SIGGRAPH、Lightbox Expo、Wondercon でプレゼンテーションも実施。
Turner Classic Movies(TCM)のテレビ番組でカナダ国立映画庁の短編アニメ特集(4時間)のゲストホストを務め、ドキュメンタリー『Autism Goes to College』にも出演。現在、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校アニメーション教授および ASIFA-Hollywood エグゼクティブ・ディレクター。
コメント
愛知県名古屋市で開催される第1回あいち・なごや国際アニメーション映画祭(ANIAFF)の名誉ある審査員を務めることができ、大変光栄に思います。今回の初開催は、アニメーション界にとって非常に刺激的な一歩であり、このクリエイティブな動きの一翼を担えることを誇りに感じています。
ASIFA-Hollywood のエグゼクティブ・ディレクターとして、世界中のアニメーション制作者や支援者とつながり、サポートできる機会を大切にしています。私たちは共に、アニメーションという最もダイナミックなビジュアルストーリーテリングの力を推進し続けています。それは、文化をつなぎ、伝統を尊重し、革新を促す力でもあります。
「世界中でアニメーションの文化と産業を発展させる」という ANIAFF の使命は、ASIFA-Hollywood の理念と強く共鳴しており、この国際的な関係がさらに成長し、発展していくことを楽しみにしています。

©Eusebio Simone
ペネロープ・バジュー氏
プロフィール
1982 年 パリ生まれ。パリ国立高等装飾美術学校(École Nationale Supérieure des Arts Décoratifs)でマルチメディアとアニメーションを専攻。卒業後、広告キャンペーン、書籍表紙、雑誌などでイラストレーターとして活動。ブログ『Ma vie est tout à fait fascinante』がオンラインで話題となり、出版でも成功。
作品は多くの言語に翻訳され、2011 年『Cadavre Exquis』でアンゴレーム国際漫画祭SNCF賞・ベストユーモアアルバム賞、2018 年『California Dreamin』でハーヴィー賞ヨーロッパ部門ベストブック賞、2019 年 二巻本『Brazen』でアイズナー賞米国版国際作品部門最優秀賞(20 言語に翻訳)、2020 年 Babelioコミックス賞、2021 年『魔女がいっぱい』漫画版でケベック書店員青少年コミックス賞を受賞。
『ジョゼフィーヌ』三部作の最初の二巻は 2013 年・2016 年に映画化(主演:マリルー・ベリー)、『Brazen』は 2020 年にアニメ化されテレビシリーズとして放送。2013 年 フランス芸術文化勲章(シュヴァリエ)を受章。
コメント
このたび、第1回となるANIAFFに参加できることを大変光栄に思うとともに、心から嬉しく感じています。それはいくつか理由があります。まず新たな冒険の始まりに居合わすことができること、そして魅力的な他の審査員の皆さまとお会いし、議論できることを今から楽しみにしているからです。また世界中の幅広い作品に出会えることにとても期待しています。
実はアニメーションは、私が大学で学んだ専門分野でもあると同時に最初の表現手段でもありました。それは現在の私のコミックの執筆にも息づいています。
そして本年度の開催では「Women in Animation(アニメーション界で活躍する女性)」プログラムが特集されると伺い、大いに胸を躍らせています。才能あふれる多くのアーティストとの出会いがあるに違いありません。
改めて、このような機会をいただけたことに心より感謝いたします。さあ映画祭の始まりです!
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塩田周三氏
プロフィール
上智大学法学部国際関係法学科卒業。1991 年 新日本製鐡株式會社入社。1997 年 株式会社ドリーム・ピクチュアズ・スタジオ立ち上げに参画後、1999 年 株式会社ポリゴン・ピクチュアズ入社。2003 年 代表取締役に就任し、海外マーケット開拓に注力。TV シリーズ制作や海外市場をターゲットにしたコンテンツ企画開発を実現する一方で、Prix ArsElectronica(オーストリア)、SIGGRAPH(米) 、アヌシー国際アニメーション映画祭(仏)などの国内外映像祭の審査員を歴任。2021 年 12 月開催の SIGGRAPH Asia ではカンファレンス・チェアを務めた。2022 年、第 25 回文化庁メディア芸術祭 功労賞を受賞。2023 年、米国アニメーション専門誌 Animation Magazine より Hall of Fame Award を授与される。映画芸術科学アカデミー(AMPAS)会員。米国育ち、趣味はバンド活動。
コメント
「あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル(ANIAFF)」の第一回開催にあたり、審査員に選ばれたことを大変光栄に思います。私は兵庫県出身ですが、幼少期には名古屋に住む祖父母を訪ねて新幹線で足を運んでおり、ゆかりの深い地です。アヌシー国際アニメーション映画祭をはじめ、これまで数々の国際映画祭で審査員を務めてきましたが、名古屋で「クリエイター・ファースト」を掲げる新たな映画祭に携われることは感慨深いものがあります。初開催の審査は、今後の映画祭の方向性を示す重要な役割と認識し、気を引き締めて素晴らしい作品群と真摯に向き合いたいと思います。